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米朝ばなし~上方落語地図~

この本は、昭和56年に毎日新聞の連載をまとめたもの。
落語にゆかりの地を、米朝さんの語りで訪ね、過去と現在を結ぶ趣向。
ところが、その「現在」っちゅうのが今から30年以上前やから、
今、読む私には、3重に楽しめる本。19刷も発行されてんの。

米朝さんは、高座もすごいけど、本もたくさん書いててすごい。
学者みたいに、落語について丁寧に調べ、丹念に記録してる。
これ、高座で話してるみたいな文章やから、米朝さんの声が聞こえてくる感じ。
伊勢や鞍馬、兵庫や猿沢の池まで、各地が登場するから、旅気分も楽しい。

大阪の町中でいうと、
淀屋橋や船場には、それはそれは粋な「だんな」が居てはって、
長町裏(ながまちうら)からは、鼻のたれた子どもが飛び出してきそう。
でも、昭和56年ころには、「水都大阪」の川は、すでにかなり埋め立てられ、
名物の「橋」も大半が地名に残るだけになってたみたい。

そして今、隣に住んではる人もよう知らんような町になったけど、
それでも、大阪には独特の笑いの世界が残ってる。
日常会話にも厳しく「オチ」が求められ、
子どもでも、なまはんかな「つっこみ」は許されへん。
「会話」そのものが生活の重要なエッセンスになってて、
老若男女、おもしろくありたい願望が強い。
私は、そんな大阪の風土が大好き。

現実的には、大阪経済は行き詰まってて、
みんな日々の生活に追われ、笑う余裕も失われつつあるかもしれん。
「生活保護うけてるやつはズルイ」とか、
「働きの悪い人間は、即刻クビにするべき」とか、
ギスギスした了見の狭い考え方がモワ~っと広がってる。
「暮らしにくさ」の原因は、うまく働けない人や、
自分より少しだけいい暮らしをしてる公務員とかのせいではないのに、
誰かを攻撃しないと、暮らしにくいというストレスは解消されない。

落語の登場人物たちは、横町(よこまち)の甚兵衛はんから丁稚の定吉まで、
暮らしむきが悪いのんは、お上のさじ加減が大きいということも知ってる。
だから、となりのおっさんが働かんから景気が悪い、なんて思わない。
世間というのは、正直者もこずるい者も、身体の不自由な者も、働ける者も、
そして子どもらも、みーんなひっくるめて世間であり、「そんなもん」らしい。
決して、お上に対する「あきらめ」とかいう境地でもなく、
自分らの生活の範囲で、お互い助け合い、権力ともうまいことかけ合う。
だからこそ、悲喜こもごもの暮らしから、笑いがじんわりとにじみ出る。

「暮らしにくさ」には、原因があるはず。
正直に働いてる者が報われないのは、何かトリックがあるはず。
お上の予算配分や、労働のシステムを、町人的に堅固な足場から見極めたい。
近い立場の人間を引きずりおろすような、ヒステリックな状況は笑えない。
せっかくの風土、「笑い」を楽しめる大阪でありたいなぁ。

米朝ばなし ←眠れない時いつも読んでマス。


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テーマ : 落語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

落語の演目を『芸名』にしているお方に、こんなこと余計な事かとおもいますが、柳家小三治氏の「ま・く・ら」「もひとつま・く・ら」を私愛読してます。
声を知っているだけに読んでると「聞こえてくる感じ。」がまたよろしい。

No title

 いつも楽しく拝見しています。「米朝ばなし」私も愛読していますが、表紙が違うような、再版されているのでしょうな~。噺としては「まめだ」が好きです。枝雀さんで観た覚えがあります、上方落語には珍しい、しんみりとした噺でした。本を案内に、昔の大坂を歩いています。

落語の魅力♡

野良さん、ひげ親父さん、こんにちは。
落語、ホッとしますね~。小三治さんの本は未読なので、ぜひ読んでみたいです。「まめだ」、悲しくて優しい話ですよね。こんな「創作落語」が古典になって残っていってほしいです。
ずいぶん前、読売テレビ「平成紅梅亭」の公開収録に当選し、何と、米朝師匠と今は亡き五代目柳家小さん師匠の高座を同時に聞くことができました。あの時のわくわくした気持ち、忘れることができません。大阪に居ながら、小さん師の「まんじゅう食い」も見られました。
落語って、ホラーな話も、サゲがいまいちな話もありますが、基本的に後味のいい笑いですよね。やっぱり、立場の弱い町人が、「そんなアホな・・・」というシチュエーションやのに、地に足つけて生きてる様が爽快なんやと思います。

文化の力

世知辛い世の中になってきましたネ。
13日にBSで「人情紙風船」を観たのですが、
貧しても鈍しない昔の長屋文化の絶妙なバランスは、
様々な世界で生きている人が、それぞれの「一分」を守る事で
成り立っているのだなぁ…と。名作でした。
今は「文化の力が試されている」と感じます
社会が共同体意識と寛容性、包容力を失わない為に…
プロフィール

ゆりひなな

Author:ゆりひなな
おもしろい記事書くために、おもしろい生活できたらええなぁ。その逆でもええけど。

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