「死を招いた保育」

「死を招いた保育―上尾保育所事件の真相」(猪熊弘子著)

著者は、保育問題をずーっと追ってはる方で、保育士さん相手に講演もしてはる。
だから、保育所関係者に、この本を読んでもらって、
二度とこんな悲しい事件が起きないようにしてほしいって思いが伝わってくる。
でも、保育所にわが子を預けるパパママが読むのもおすすめしたい。
実際、読みすすめていくうちに、自分が保育所になにを求めてるのか、
確認することができたし、保育所との関わり方について考えさせられた。
すごく読みやすくて、自然に自分の気持ちを重ねて、事件を追体験することができた。
幼い命が失われた事実をどう受け止めるのか。
取り返しがつかないだけに、読後は重くて辛かった。

4人の子を保育所に預けてきた著者は、
保護者としてあたりまえの「何で?」を追求してる。
何で連絡帳にこんな風に書くの?
何でこの子の全部を見てくれないの?
何でお友だちとの関係をこんな風に判断するの?
何でこんなにも目が届かない状況なの?
何でこんなところに引き戸のついた本棚を置いといたの?
その「何で?」の先に、この保育所のあり方の問題点があって、
この事件に必然性があったということが理解できる。

しかも、これらの問題点は、この保育所単体で済まないと思う。
子ども子育て新システムでは、保育が輪切りにされ、
保育の連続性がさらに失われる可能性が高い。
「保護者のニーズにあわせる」という理由で、
時給で雇われた保育士さんが、その場限りの保育をするケースが増えるやろう。
保育士なんて責任の重い仕事を時給数百円で背負わせるなんてやり切れない。
そんな責任背負いきれない。

保育士は命を預かる職業。
だから、保育士どうしが連携し、子どもの状況を把握しあって、
日々の連続性の中で、どうしても個別の対応をする必要がある。
保護者の最大のニーズは、朝元気に保育所に飛び込んだわが子が、
元気に手元に戻ってくることではないの?
保育士の身分を保障し、保育の専門性を高めてもらうことが、
わが子をまもることにつながるってことを、私らは知ってる。
「保護者のニーズ」を楯に、
保育環境を軽んじる政策を打ち出すことはユルサナイ。

死を招いた保育

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